工場・ビル建築物排水検査

■工場排水
  ・公共用水域に排出する場合
  ・下水道に排出する場合
■雑用水

食品工場、化学工場等、1日当りの排水の排出量が50m³を超え、特定施設に該当する事業所はその施設から排出される水が「水質汚濁防止法」や「下水道法」等の水質基準を守る義務があります。
ビル建築物やグリストラップ排水など特定施設に該当しない施設の排水も水質基準を守る努力が必要です。
また、ビル等で使用する雑用水(排水の再生水、雨水等)は建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法)で水質検査が義務付けられています。

■工場排水

特定施設

水質汚濁防止法では、「カドミウムや水銀等の有害物質または、BOD・SS等生活環境項目として規定されている項目を含む汚水または廃液を排出する」施設(同法第2条の2)(74項の施設が指定されている(同法施行令別表第2))のことです。

特定施設の種類(福岡市)

排出水

特定施設の排出水は公共用水域に排出する場合、水質汚濁防止法に定める排水基準を満たしている必要があります。
また、下水道に排出する場合は下水道法に定める下水排除基準を満たしている必要があります。
検査項目及び頻度等は施設ごとに各自治体の指導により定められます。


公共用水域(海洋、河川、湖沼等)

下水道

飲食店グリストラップ排水

○公共用水域に排出する排水の水質検査

水質汚濁防止法に定める排水基準 (環境省 一律排水基準)
水質汚濁防止法第3条第3項の規定に基づき、全国のすべての水域の特定事業場に適用される排水基準をいいます。
カドミウム、シアン等の有害物質と、BOD、COD等の生活環境項目について定められています。

一律排水基準 (環境省)

○下水道に排出する排水の水質検査
自治体により項目及び基準値が異なる場合があります。
下水排除基準(福岡市)

■雑用水

雑用水とは、建築物内の発生した排水の再生水の他、雨水、下水処理水、工業用水等を、トイレの洗浄水、修景用水、栽培用水、清掃用水等として用いる水のことです。
ビル管法により管理事項が定められており定期的な水質検査が必要です。

雑用水の水質検査項目

内容 検査項目 検査頻度
水洗便所に使用する水 大腸菌 2ヶ月以内に1回
それ以外 濁度 大腸菌
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(昭和45年法律第20号)(通称:ビル管法、略称:建築物衛生法)のことで厚生労働省より定められた法律です。 不特定多数の人が利用するショッピングモールやデパート、映画館、博物館、ホテル、オフィスビルなど(特定用途の床面積が3,000m²以上)、学校(特定用途の床面積が8,000m²以上)などが法律の対象施設になります。